まっしろキツネ
"小説"  著作者:安憧夏      オンライン小説SNSへ

[あらすじ]
まっしろキツネは雪の中、今日も元気に踊ります。
まっしろキツネ
『まっしろキツネ』


 辺り一面雪化粧。ここは静かな雪の丘。
 こんこんこん。まっしろキツネは雪のステップ。
 どきどきどき。それを影からこっそりと、のぞいているのは女の子。
 こんこんこん。それに気付かず小粋なステップ。
 どきどきどき。楽しそうだと女の子。ほんのちょっぴり勇気を出して、まっしろキツネにご挨拶。

「ねぇこんにちは、キツネさん。楽しそうだねそのダンス」
「おやおやこれは、お嬢さん。一緒にどうかなこのダンス」
「まぁ嬉しいわキツネさん。あたしにうまく、できるのかしら」
「おやおや何を言うのやら。僕よりじょうずにできてるよ」
「あらまぁ不思議ねキツネさん。あたしったらほら踊ってる」

 楽しい時間は過ぎるもの。いつのまにやら日は落ちて、強く降る雪こんこんと。
「こいつはいけないお嬢さん。早くお家へ帰りなさい」
「あしたまた来ていいかしら?」
 ほんのちょっぴりドキッとしたのは、誰にも内緒のまっしろキツネ。
「もちろんだともお嬢さん。あすまたここで踊りましょう」

 ところがどっこいそれから数日。
 まっしろキツネはソロダンス。
 あの子は来ないよこんこんこん。

 思い出すのは哀しい記憶。
 隣の丘でこんこんこん。
 まだ小さい頃二人きり。
 友達キツネと仲良くダンス。
 ところがどっこいぱったりと、友達キツネは来ない来ない。
 たまらず友の家に行き、こんこんこんこんドアノック。
 返ってきたのは意外な言葉。
『コンコン来ないでコンコンコン』
 まっしろキツネは大ショック。
 嫌われたんだと隣の丘へ。それから一人でこんこんこん。
 踊り続けて今日の午後。あの子は来ないよこんこんこん。

 また嫌われたんだとまっしろキツネ。
 涙流してとかす雪。
「まぁ泣かないで。キツネさん」
 優しい声は女の子。
 こんこん今度は嬉し泣き。
「また来てくれたね嬉しいよ」
「待たせてごめんね風邪引いちゃって。うつすわけにはいかないですもの」
 コンコンせきこむ女の子。
『コンコン来ないでコンコンコン』
 まっしろキツネは大ショック。
 一言残して駆ける足。
「こんこんごめんねお嬢さん。隣の丘へ、用事ができたよ」
「あらまぁ、それじゃあまた今度」

 どきどきどきどきまっしろキツネ。
 ほんのちょっぴり勇気を出して、こんこんこんこんドアノック。

 辺り一面雪化粧。ここは静かな雪の丘。
 二匹のキツネと女の子、今日も楽しく雪の舞い。
                                   (おわり)

著作者:安憧夏      ホームへ
作品の著作権は著作者にあります。無断転載は厳禁です。



  
ホーム>オンライン小説,ネット小説,ウェブ小説,総合の投稿小説空間へ