Clock
現代小説 刑事  
著作者:しーさー   著作者の作品一覧へ   ホームへ


[あらすじ]
比較的新米刑事のジャックは職場でゲーム三昧のダメ男。ぶっちゃけやる気がないジャックは上司が死んだ後ちょっとまじめに仕事をする。そこで変な金属片を調べることになった。そしていろいろな人間のの行動が交差する。
Clock
[3つのSomething EP1]
モスが右腕をダラリと下げて左手だけで銃を撃っている。すると空から銃弾が降り注いでモスが力無く崩れていく。そして影から見ている俺にむかってつぶやく。
「なぜ…助けてくれなかった。」
そこで目が覚めた。喉が痛いくらい渇いていのに、体じゅう汗だらけだ。このごろ同じ夢をよく見る。今日で9回目だった。
汚いスーツを着て出かけようとすると、郵便受けに電気工事のお知らせが挟まれているのに気がつき目を通すが、眠くて内容が頭に入らない。警察僚を出ると朝日が差して、夏が終わったと言うのに汗が噴き出した。モスが死んでから半年が経った。あれから鍵の正体を確かめるために署内を歩き回り、普段は行かない部署に顔を出したせいか結構知り合いが増えた。あと射撃訓練に参加することも増えたので、ある友達ができた。鑑識のフロッグ。詳しい名前はネームプレートをつけていないのでわからないが、特徴はサングラスと真っ黒の肌と髪。黒人は臭くて血の気が多いから毛嫌いしていたが、少なくともフロッグはいい奴だ。あと、鑑識とは思えない筋肉も特徴だ。ところで最近の仕事はといえば殺人現場に落ちてたという金属片の身元調査。これまでモスが仕事を処理していたのか、モスがいなくなってからゲームができない。とりあえず、金属片は半球型で内側からの破裂痕がある奇妙なもので、鑑識によれば特殊なもので内側からは壊れやすいが外側からは強い材質らしい。今日はそれを作った工場というところに聞き込みに行く。

誰が最初に呼んだか知らないが、俺はブラックというあだ名で呼ばれるのは好きじゃない。黒人は他にもいると言うのになぜ俺だけがブラックなんだ?そういえば最近友達になった奴は違う呼び方をしていた。あいつは俺が鑑識だと言っても驚かなかった。名前は確かジョンだった。近頃の成分不明の火薬の調査の合間に行く射撃訓練ではよく話す。黄色人種はうるさくてケチだから関わらないようにしていたが、少なくともジョンは違う。あいつは心の落ち着いた奴だ。さて、モーニングコーヒーを飲んで、例の火薬を外部の研究所に持っていくとしよう。

今日の私はツイてない。さっき廊下でぶつかったのも最悪だった。ぶつかった男はやる気なさそうに「いってぇなぁ…」しか言わないし、私が怒っても「ぶっちゃけお前が悪い。」の一点張りで感じ悪かった。その前もコーヒーを飲もうとしたら前に並んでたグラサンの黒人とぶつかって、相手のコーヒーをこぼしてしまった。最初は無表情だったのに、弁償でコーヒー買うときも「ブラックですか?」と聞くとしかめっつらになって、感じ悪かった。まぁ、こんなことでイライラしてる場合じゃない。私は今日は、よくわかんないけどプログラムの解析を担当するんだから!情報課に入って初の大仕事だわ。

昼過ぎ、工場に着いた。特に変わった様子もなく外観だけで言えば、普通の町工場という感じだった。
「あぁ、それですか。」
工場長も感じの良いオジさんで、金属片について聞くと、シワの多い顔にさらにシワをつくって笑いながら説明してくれた。
「それを注文した客は口数の少ない人でね、それができたとき満足したかどうかわからなかったけど、あとで電話でお礼を入れてきてなかなか丁寧な人だったよ。あと妙に値段にこだわらなくてね、完成までに10日かかったんだが、その間改良加えるよって言っても、いくらかかってもかまわないとしか言わなくてね。」
「それで、は…その人はそんなもんを何に使うって言ったんです。」
「採掘用の爆薬ケースとか言ってたかな?」
…あきらかに一般人じゃない。例え業者でも、もっと注文に気を使う。注文票の写しをもらった後、軽く礼を言って工場を去った。

生産元をあっさり掴まれるのもそうだが、これが犯人だとしたら馬鹿にしているとしか思えない。注文票の名前は実在する名前だった。一見雑なこの行動は何を示しているのか…会ってみればわかる。居場所も簡単に割れた。


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