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[あらすじ]
ちょっと「普通と違う」趣味嗜好を持った二人の腐ヲタ系ラブコメディ・「Two
Strange InterstS」
今まではずっと、主に都視点の物語ばかりでしたが……今回は薫視点で攻めてみようと思います!
ちなみに本編は、ギャルゲーをこよなく愛し、自分の萌えポイントならば恋のライバルにだって萌えてしまう攻めの都と、
二次元BLに独自のこだわりを持って楽しんでいるめがねのイケメン主人公属性・薫。
この二人の出会いから、作者が絶句するほどラブになるまで、ラブになってからを書き綴った。マニアックな用語が日常会話の長編小説です。
都視点ではマニアックな要因が多かったですが、今回はラブ濃い目です。薫がどんな目で都を見ていたのかが(笑)お分かりいただけるかと。
全5話、2回に分けてアップしていきます。正当な続編も外伝シリーズも準備中ですので、場つなぎとしてどうぞ。 |
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Two Strange InterestS/Other View Access --Kaoru--
01:Black Joke
今考えても、実に運命的な出会いだと思うけど。
俺――新谷薫と、彼女・沢城都の関係は、普通の生活では「ありえない」キッカケから始まった。
「……お節介かもしれないけど……何か欲しい本、あるの?」
「え?」
「いや、さっきから躊躇してるみたいに見えたから。確かにそういう本、男なら買いにくいだろうし……代わりに買ってこようか?」
唐突にキッカケを作ってくれたのは彼女。そして、凄い勢いで俺の生活を一変させていく。
「本当に借りていいの? 私、絶対入り浸ると思うよ?」
俺がパソコンを使うかと提案すれば、おもちゃを買ってもらえる子どもみたいに目を輝かせて。
「新谷君って呼ぶの、何となく他人行儀だと思わない? 私達って立派なソウルブラザーみたいなモノだし……うーん、「君」っていうより「ジェントルマン」な気がするから、今日から私は新谷氏って呼んでもいい?」
屈託のない顔で、俺に笑顔を向けた。
それが正直、「彼女」に重なってしまったのは……まだ俺が、過去を完全に清算出来ていないからで。
「……なぁ薫、本当に大丈夫なんだよな、その女の子」
親友である大樹に「美少女ゲームを貸して欲しい」と頼み、その経緯を簡単に説明すると……電話の向こうにいる親友が、少し訝しげな声で問いかける。
沢城がやってみたい美少女ゲームがあると聞き、真っ先に浮かんだのは大樹だった。案の定ソフト名を告げると「持ってるけど」という返答。俺にはどんなゲームなのか分からないけど、大樹が持ってるってことは、それなりに有名で面白いソフトなのかもしれない。聞いても分からないから聞かないけど。
ただ、
「えぇっと……沢城さん、だっけ? まぁ、薫の前でそこまでぶっちゃける女の子が、最初から妙な下心を持っているとは考えたくないけど……気をつけろよ?」
「そう、だな……」
奴からの忠告に、思い出したくない過去が溢れようとする。
あの時、俺の前から離れていった彼女――大好きだった杏奈の泣き顔が、俺の知っている最後の彼女で……。
「薫?」
大樹からの声に我に返り、「じゃあ大樹、悪いけどさっき言ったタイトルを頼む」と電話を切った。
部屋の中で一人、ため息をつく。
今日はバイトもなく、沢城もいない。久しぶりに一人だけの空間で、彼女に借りた小説でも読もうかとベッドに転がった。
「もう、無理だよ……私、このまま薫と一緒にいても疲れるだけなの……!」
頭の中でフラッシュバックするのは、最後に杏奈から言われた言葉。
「どうして私ばっかり我慢しなくちゃいけないの!? 薫は私のこと、もうどうでもいいって思ってるんでしょう!? だから……あんな噂流されてもいいやって、そう思ってるんでしょう!?」
違う。何度も否定した。だけど……俺の言葉はもう、彼女には届かない。
どれだけ叫んでも、彼女は俺に背を向けて歩き始める。
二度と、振り向いて笑ってはくれない。
「ねぇ新谷氏、BLの魅力って……何?」
次の瞬間。
俺に何の躊躇いもなくそんなことを尋ねる沢城の顔が、頭に浮かんで。
正直に返した俺の言葉に、沢城は納得してくれた。
本にしおりを挟んで体を起こし、一度、部屋を見渡してみる。
定位置にいない彼女。急にこの部屋が広くなったような気がして……少し、寂しくなった。
だからあの時、あんなことを言ったんだ。
俺はきっと、君の事をもっと意識してしまうって思ったから。
「正直驚いてるよ。だけど……BL小説を読んでる間は、頭を空っぽに出来るんだ。今も結構しつこい友達とかいて、どうやって断ろうか考えてるけど……小説を読んでる間は、そんな奴のこと考えなくてすむ。「女」の存在を無視できる唯一の空間なんだ」
話題が俺に関する噂の真相から、少しだけ過去の経験に及んで。
正直、あの頃の話は思い出したくないし……思い出せない部分も、多い。
それはそれでありがたいのだが……やっぱり今でも、自分に好意を持って近づいてくる女性が怖いのは事実で。
俺が今の自分の思いを率直に伝えると、それまで俺に女教師のポイントについて語っていた彼女が、
「……鈍感だね、新谷氏は」
ぽつりと呟く。
何がと聞き返してもそれ以上深くは語ろうとせず、話題を変えられた。
「そういえば……どうして沢城はギャルゲーが好きなんだ? 世の中には乙女ゲーもあるっていうのに」
「うーん……乙女ゲーは嫌いじゃないの。むしろネオ○マンスとかキャラ萌えよ? 声聞いただけで乙女回路大暴走なのよ。
ただ、前に綾美にゲームを借りたんだけどね……10時間頑張ってフラグ立てて親近感アップさせても、どこをどう間違ったのか全然違うキャラのエンディング(しかもそのキャラは個人的にどーでもよかった)になりそうになったとき、一気に冷めちゃったのよね。今までのラブラブ寸止めイベントは何だったんだ! って、思っちゃって」
俺の質問に、彼女は自分の悲惨な実体験をつらつらと語り、
「本気で女の子と恋人になりたいなんて思ってないわ。ただ、そんなにリアルばっかり追いかけたって疲れるじゃない。
私の場合、現実逃避の方法がギャルゲーで、それが自分に合ってたってだけだと思う。世の中にはアイドルを追っかける人も大勢いるわけだしね。私みたいな亜種が生まれたって、現代日本の風潮を考慮すれば、可能性はゼロにならないと思うけど」
饒舌に語る沢城から、目が離せなくなる。
今まで俺に近づいてきた女の子とは違う、無理に飾ろうとも、背伸びをしようともせず、自分に正直に生きている彼女が、俺にとっても一緒にいて疲れない存在で。
もっと知りたい。彼女のことを、もっと。
そう、思ったから。
「沢城が彼女だったら、俺の女嫌いも少しは解消されるんだろうな」
俺に彼女が出来るなんて、今はまだ、無理な話かもしれないけど。
いつか叶って欲しい願望の一つを、ぽつりと呟いてしまった。
案の定、それを聞いた沢城は一瞬口ごもり、
「……血迷わないほうがいいと思うよ? もっと家庭的で可愛い女の子見つけなって」
それ以上、語ろうとはしなかった。
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